Eury dike の思い
「一生もののテーブル」
そんなテーブルと出会えたら私達の生活はどう変わるのだろうか?
現代のものに対する考え方の多くは、安く購入。壊れたら捨てて買い替え。
こんな思想が多いのではないでしょうか?
「断捨離の方法」「新しくものを買ったら何か捨てましょう。」
大切な考えではありますが、私は好きではありません。
「一生もの」「職人の手作り」
私の好きな言葉です。
一枚板は皆様ご存知の通り大樹をそのままスライスした、自然のままの素材です。
その大樹は数百年という途方もない年月をかけて、大自然の中で成長してきました。
数百年の歳月をかけて育ったものは、加工後も数百年生き続けます。
そんな大樹をテーブルにしたのが「一枚板テーブル」です。
「テーブル」は常に家族団らんの中心にいます。
家族団らんの食事、子供の勉強、家族の中心には必ずテーブルがあります。
そして家族の歴史を、その「テーブル」は刻んでいます。
子供が傷をつけた。
汚してしまった。
あの時のケンカで凹んでしまった。
子供がテーブル裏にいたずら書きをしていた
数年前まで生きていた天然の一枚板ですので汚れも付きますし、傷もつきます。
ですが、それらも全て思い出です。
数十年後子供が大きくなった時、ゆっくりコーヒーを飲みながらその傷を眺めて 家族の事を思い出していただく。
そんな貴重な時間を過ごせるのは、家族の長い間の思い出がしっかり残った、一生モノの一枚板・無垢テーブルだけです。
また、一枚板には一生使えるだけではない側面があります。
それは自然の中で数百年かけて育った唯一無二の「芸術品」
近年の高度な技術でも決して人工的には作れない、世界でたった一つだけの芸術品です。
それが家族の中心に常にあれば、ご家族・お子様に何か感じるものがあると思います。
モノを大切に、ずっと使い続けるという両親の心意気が伝わると思います。
樹齢数百年の一枚板から何か不思議な力を感じることができると思います。
私はそんなテーブルが本当に大好きです。
お客様の大切なテーブルを私は心を込めて作りたい。
眠っている木に新しい命を吹き込み皆様にお届けしたい。
そんな願いを込めて森の妖精から名前を頂きました。
「Eury dike」のオープンです。
ただ良いテーブルを作るだけでない。
眠っている命に、新しい命を吹き込む。
数百年かけて育った一枚板を、世代を超えて使っていただきたいという思いからEury dikeロゴの中心に「砂時計」が入っています。
私も学生の頃はテーブルを買う立場でした。
若い頃の私は無垢テーブルなんて、とても高価で買えませんでした。
「なんでこんなに高いんだ?」
率直な疑問でした。
自然を肌で感じられるテーブルが欲しい。でも数十万円するほど高いなんて・・・
自分が作ってもっと安く販売できればな。
そんなことを考えた時から木がどんどん好きになり、無垢材に魅了され、木工の修行もし、
気付いたらテーブル屋さんになっていました。
ですが木工の勉強をすればするほど、修行すればするほど、木材業界にいればいるほど、一枚板や無垢テーブルの価格の理由を肌で感じてしまいます。
高騰する原材料費、大型機械、店舗、人件費、広告費。
多くの経費、製作にも多大な時間がかかり、普通に販売していたら
私も「なんでこんなに高いんだ?」というテーブルを販売してしまう。
むしろ、この価格はしょうがなかったんだと思い始めてしまいました。
店舗で購入すると非常に高価な値段で販売している。
これでは本当は欲しいけど高価すぎて購入に踏みとどまってしまう方も多いと思いました。
本当に良いものを、より多くの皆様に納得価格で一枚板テーブルをお届けしたい。
そんな矛盾を克服するために、様々な人の助けを借り、実店舗を持たないテーブル専門店が始まりました。
直接倉庫で選んでいただき、完成したら直接お届けする。
コスト・管理費や店舗維持費、無駄をとことん省き、お客様に納得していただける価格で提供することができるようになりました。
そして無駄を省くとお客様との会話が増え、お客様との距離が縮まります。
完成したものを買っていただくというより、気に入った一枚板を選んでいただき、
その一枚板でお客様のご要望に合わせてテーブルを製作していく。
お客様の細かいご希望を聞くので、お客様の隠れたこだわりが話の中から出てくるんです。
自覚していなくても皆さん「隠れたこだわり」を持っているんです。
無駄を省いたら、お客様と親密になることができ、
これによりお客様の本当に欲しい形を作ることができるようになりました。
Eury dikeは通常の販売店とは異なる点があります。
それはお客様と製作者が直接繋がることです。
通常の販売店ではこのようになっています。
どんな家具販売店でも、このような形態で製作者とお客様が顔を合わせることはありません。
普通がこれですが、どうしてもお客様の細かな要望は届きにくくなります。
Eury dikeの形態ですとお客様と製作者が直接繋がります。
一生もののテーブルで細かな要望があったり、細かい点を確認したい場合にはどうしても製作者から直接聞く必要があります。
また、新築時カウンター等と合わせて一枚板を購入したい場合など、製作者のアドバイスがあればより良い提案が可能になります。
お客様と製作者の距離がなくなり、より良い一生もののテーブルを購入できるようになります。
また、私は天板の裏側にも憤りを感じていました。 昔の一枚板の裏を見るとしっかり反り止めが入っています。
昔の一枚板は乾燥が不十分だったから今とは違うは、私にとっては言い訳です。
一番良いのは「アリ溝吸いつき桟」という天板の動きに柔軟に寄り添う反り止めです。
天板が呼吸し収縮したとしても天板には無理な力をかけない為割れを発生させず、しっかり反りを抑えるというとても良い反り止めです。
現在では効率から「鉄製の反り止め」を採用したり、「反り止めをしない」ところが中心になってきました。
「乾燥を十分させていますので大丈夫です」
「木材より鉄のほうが硬いですよね?大丈夫です」
「反った場合は修正します」
確かにそうなんですけど・・・・
乾燥を十分させて含水率をしっかり落としても日本には四季があります。
梅雨には湿度が上がりますし、冬の室内は異常な乾燥。
木材にとっては本当に過酷な状況です。
そんな中で木材は呼吸を続けますので水分を多く含むときもあれば、はき出す時もある。
水分の出入り(呼吸)が最低限になり安定する平衡含水率になってもどうしても動いてしまいます。 木材は常に生き続けるのです。
絶えず水分量により反りは変化しますので、乾燥ができていれば反りについては大丈夫は通用しません。
呼吸を止めるほど表面をがっちり塗装すれば別ですけど、気持ちいい触り心地はなくなってしまいます。
鉄製の反り止めも私はあまり好きではありません。
木材が呼吸し収縮した時にも、鉄は一切動きません。
ネジ穴の間隔も動きません。
もう、どうなるか想像できたと思います。収縮した時に木材に無理な負担が生じ割れとなって発生してしまします。
また、木材の反りは外側(耳側)に力がかかります。 反った場合は一番外側のネジに反りの力が集中しネジ穴を壊すこともあります。
木材は自分自身を壊すほどの力を持っていますのでその力で反ればネジ穴はつぶれ反っていきます。
そのようなことを起こさないのが「アリ溝吸いつき桟」です。
詳しくは製作のこだわりで見ていただきたいと思いますが、レール状になっている反り止めですので天板の動きに柔軟に対応します。
また点ではなく面で支えますのでネジ穴がつぶれるようなことはありません。
反り止めに使う木材はとても固い樫を使いますので強度も問題ありません。
木材が痩せた場合隙間が出るという考えもありますが、木材が痩せる場合は、天板全体が痩せますのアリ溝への影響は少ないです。
ここまでやっても反りや割れを全く防ぐことはできません。
ですが、できる最善の施工をやりたいのが、良いものを作りたい職人の本音です。
このように職人の方は皆さんわかっているはずなのに、効率の面等の理由で鉄製や反り止めなしを採用してしまっています。
一生ものの天板に・・・・
私だったら職人がとことんこだわった天板がいい。
効率なんてお客様には関係ないし、最高の反り止めをして天板にとって一番いい形でお届けしたい。
デメリットとしては、製作時間がかかる等で、職人が大変になるというとこです。
また、熟練した職人でなければならないですし、大きな企業だと職人数も多くなり、技術力にバラつきが起きます。
製品の品質の差が起きるのは避けたいですので、差の出ない「反り止めなし」、「鉄製反り止め」になります。
また脚の状況に応じ反り止めの位置も変わりますので、お客様との打ち合わせも重要になり時間もかかります。
ですがそのデメリットは、お客様には一切関係のないことです。
また、職人自身が本当に良いと思ってやることは、職人の気持ちの入り方も違ってきます。
時間がかかる為価格が上がってしまいますが、そこは先にお伝えしたコストをとことん抑えた経営方針でまかないます。
しっかり乾燥した最高の天板を、最高の反り止めで、納得価格でお届けします。
どうしても実店舗を持たない為、完成したテーブルを見れないという弱点があります。
倉庫見学していただき、製作前の大型の一枚板を見ていただくことができますので、その時にあることをして、 より完成に近い状態を確認していただきます。
そして、私がお客様のご要望をお聞きし、丁寧に製作させていただきます。
このような経営方針で進んでいますので、お客様に理解していただけ、おかげ様で確実にEury dikeは成長しています。
これもすべてお客様に愛していただけた結果だと思っており、うれしく思います。
数百年かけて育った大樹に、テーブルという新しい命を吹き込んだ
「一生モノのテーブル」を、皆様に納得価格でお届けします。
お客様にとって最高の一枚板を提案させていただければ幸いです。
少し熱い文章になってしまいましたが、旅好きの平和を大切にする人間です。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
Eury dike 藤原