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一枚板に反り止め加工とチギリ実施しました。

本日は一枚板製作状況のお知らせです。

チギリ加工とアリ溝吸い付き桟の施工についてお伝えいたします。

最近年末になり大変多くのお問い合わせをいただいております。
お問い合わせの返信が夜遅くになってしまいますが、一人一人丁寧にご回答させていただきますのでご了承ください。
遠方からご連絡いただいた場合、実際にお会いするまでのコミュニケーションが重要と認識しておりますので、不安やご要望がありましたら、お気軽にご連絡ください。

年内の見学は既に予定が埋まっており、年明けも随時見学予定が入っておりますのでお早めにお問い合わせください。

さて製作状況です。
チギリ加工からご紹介します。

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加工したのは先日から作業しているこちらのブラックウォールナットです。
中央に節がありそのおかげでそこから大変激しい木目が出ております。
これだけ激しい杢が出るのは大変カッコいいのですが、どうしても大きな節がありますので節の部分の反りが発生しやすい側面もあります。
節の入り方にもよりますが、この度は裏面からチギリ加工を実施します。

天板面はきれいにとのご希望ですので裏面から深く入れさせていただきます。
Eury dikeでは天板面をなるべくきれいに仕上げたいですので、チギリが必要な場合でも裏面から深く入れることをおすすめさせていただいております。

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このような位置にチギリを入れます。割れに対して変な場所への加工に思うかもしれませんが理にかなった位置になります。

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こちらの節は斜めに割れが入っておりますので、それを考慮しこの位置になります。
通常は横の一枚板の動きを抑制するためですので接着剤は使用しませんが、この節は上下の動きも予想されますのでしっかり接着剤も使用し上下左右の動きを抑えていきます。

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加工した穴に対して、椹木を挟み打ち込みます。緩すぎてもだめですが、きつすぎても割れてしまうので、今回の場合は本当に経験が必要な作業です。

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綺麗にピッタリ加工できております。
ここは完全に加工する職人のセンスが問われるところですので、Eury dikeは製品の品質の確保から技術力の高い職人しかおりませんので、すべての一枚板をご安心してご購入いただけます。

次はその高い技術力がないと施工できないアリ溝吸い付き桟という反り止めの加工です。
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こちらの一枚板に加工していきます。
既にBC・プレナー・サンダー加工実施し、きれいになっているのですが全体の写真撮影を忘れておりました。反り止め前には裏面をきれいにサンダーかけしてから実施してきます。
反り止め加工に移っていきます。

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まずは治具を固定し、ルータで溝を掘っていきます。

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効率化や刃の保護の観点からルーターを2台使用し加工します。

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簡単な木の枠にしか見えないと思いますが、この治具は0.02mmの誤差もない時間をかけて定期的に微調節をしている治具になります。
奥に行くにつれ数mm細くなっており、その角度が後々の吸い付き桟を打ち込む時に重要になってきます。

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綺麗に加工できております。

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アリ溝を掘ることにより下の木目も現れ、面白みのある表情を見せてくれます。

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この溝は大変重要になりますので丁寧な加工が必要です。

ここからは吸い付き桟を打ち込んでいきます。

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打っては削り

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打っては削りを繰り返します。
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同じ写真じゃないかと思うかもしれませんが、少しずつ打ち進むことに意味があります。
固い樫の吸い付き桟を強く打ち込み、天板の一枚板に負荷をかけて吸い付かせていきます。

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ここまできたら腕はもうパンパンです。

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あとはより丁寧に加工していきます。

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このあと数mmがいかない場合でも強く打ちこむことにより、乾燥しても痩せてアリ溝と桟の隙間ができないようにしております。

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あとは吸い付き桟のデザインを整え、椹木で傷つかないように打ち込みます。

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アリ溝の入り口はこのような感じです。入口はこの様になりますので目立たないように蓋をします。

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同じ一枚板から加工しますので色味の差がなるべく出ないようにします。

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横から見てもビッタシはまっています。隙間はありません。

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これで反り止め「アリ溝吸い付き桟」の加工は終了です。
この反り止め作業で6時間はかかります。
この時間がなければ効率は一気に上がりますが、私どもがこの反り止めをやめないのは、プロから見てこの反り止めが大変重要だからです。

一枚板・無垢材はどれだけ乾燥しても反りは発生してしまします。
平衡含水率と言われる動きが制限されるところまでしっかり乾燥していても反り・割れは発生してしまいます。
店舗の販売員は深くは知らないと思いますが、乾燥に関することを上司から教わってお客様にお伝えしていると思います。「乾燥させているので反り・割れは起きません」と安易に言う販売員は多いですが反らない・割れないは絶対に信じてはいけませんからね。

実際に製作加工をし、お届けもし、実際に自分自身で使っていても収縮による割れは発生してしまします。現にどこの販売店の展示品も割れ・反りは発生しています。
湿度変化のある日本の四季がある日本ではどうにもできない部分です。

近年は効率や技術力のある職人が少なくなっている観点から、反り止めをしないことが主流になりつつあります。反り止めをしない利点はいくらでもあげられますが、正直なところは効率化です。

このように時間のかかる加工、非効率的な接客・製作では大量製作・大量販売ができないです。
ですが、お客様にとって一生モノのテーブルに効率なんて必要ないと思っております。
原木の状態の一枚板と出会ってもらい、ご家族の身長・体型を考慮し高さ等を決める。仕様もお客様の自由にオーダーいただく。
一生モノの為に効率化なんて絶対にいりません。

また、私は一枚板には木の命が宿り、妖精のようにずっと寄り添ってくれていると思っています。
一枚一枚にある木の命を丁寧に加工し、お客様にとって最高の一枚板に仕上げたいと思っております。

そのような思いからしっかり反り止めの加工しておりますので、割れてきたという報告はどうしても受けることがありますが、反りが発生したという報告は一度も受けておりません。
全ての一枚板にしっかり施工できているのかなと思っております。

今後も継続してしっかり製作していきますので、お気軽にお問い合わせください。

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