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サペリ一枚板製作と最高の反り止め「アリ溝吸いつき桟」

本日はサペリ一枚板の製作状況と、アリ溝吸いつき桟のお話です。

最近本当に多くのお問い合わせを頂いており、ご連絡作業に追われています。常にお問い合わせが入り、製作作業後の返信になりますので、夜遅くになる場合がほとんどでお客様にはご迷惑おかけしますがご了承ください。

遅く作業をしていますので、普通の会社員では相当なブラック企業です。
ですが、私は写真の編集・ご連絡とかなりのウェイトを自宅で実施するようになりました。
その為夜の自分の時間をご連絡作業に充てることができますので、夜ご提案する一枚板の写真を見ながら毎日ニヤニヤしております。

他の事にはここまでのエネルギーが出ないので、本当に一枚板が好きなだなーと思います!
私の作業は本当に一枚板が好きな者でしかできないと思いますので、私の人生をかけた一枚板テーブルをどうぞご検討ください。

さて本日はサペリ一枚板の製作状況です。

まずはこちらの一枚板を全体の重心を取って小口面の平行を出していきます。

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写真では見えずらいですが、ラインに対してカットしていきます。長さをなるべく変えずにラインを出します。

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これは虫食いの穴です。

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白太の部分にはどの一枚板にも発生してしまいます。ですが赤身の部分には絶対入らないんです。虫も味が分かるんですね。
この部分無視して塗装するお店も多いですが、Eury dikeでは基本的にエポキシ樹脂で埋めていきます。使用中にゴミが詰まったり、水ぶきの水がたまり一枚板にもよくないです。

ですので、虫が食べたラインには木くずが入っておりますので、それを一つ一つ取り除きます。あまりにも地味な作業ですし、とても時間がかかります。
そんな作業を見ていた事務の方が「こんな時間のかかる作業しているなんて買う人は分かんないんだろうね。この大変さが分かればもっと好きになるのに、伝わらないよね~」

と言っておりました。ごもっともです。
ですが私は伝えます。「一枚板の作業はすべて本当に大変で、ものすごく時間がかかります」
お客様との話の中で、製作は〇〇時間くらいかかるんですか?とたまに聞かれますがお客様がイメージする3倍の時間がかかっています。お客様の時間感覚によりますが、実際の時間以上を答えた方はおりません。

この虫の穴にも時間をかけています。

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綺麗に見えても細かな補修をするとこれだけ多くの箇所を樹脂で埋めております。

そして塗装後の色味をイメージしながら部位によって色味を替えています。
塗装してなるべく目立たないように微調整して埋めていきます。
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樹脂を塗ったら必ず1日放置です。
その後、反り止め作業に入る前に裏面を整えていきます。

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サンダーで#100 #180 #240 で念入りにサンダー掛けをします。
Eury dikeではその後に#1000を手でペーパー掛けします。これは削るのが目的ではなくこの作業により天板面の削りのムラが分かります。
いつもは伝えませんが、本当はここまで細かく実施しています。

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その後脚の形状に応じてアリ溝吸いつき桟の位置を決め、ラインを引きます。

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そのラインに対してルーター

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形状を変えたルーターと2機使用してアリ溝を掘ります。

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綺麗なアリ溝です。この溝が今後の反りをしっかり抑えてくれる重要なアリ溝です。

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反対側も実施します。
その後準備した吸いつき桟を打ち込んでいきます。

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余裕をもってまずは加工し、

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打っては、吸いつき桟を削り

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打っては削り

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打っては削りを繰り返し、しっかり密着させながら進んでいきます。最後はピッタリ行くまで打ち込みます。
時間はかかりますが、大変重要な作業です。このアリ溝吸いつき桟が後の反りを抑えてくれるので、慎重に作業していきます。

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その後、吸いつき桟の形状を整えます。
今回のお客様は、ローテーブルとしての仕様ですので、座っても吸いつき桟が邪魔になりにくい様、通常より若干デザインを変えております。

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アリ溝に蓋をして

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アリ溝吸いつき桟完成です。
書くのは簡単ですが、実施するのはとても神経を使います。

また、このアリ溝を掘るにも吸いつき桟を調整するにも冶具を使用します。
こちらです。

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なにこれ?って感じでしょうか?
以外にたいしたことない印象かと思います。

木材で製作している為動きますので、定期的に微調整しております。
ここでの調整はミリ単位ではありません。0.1mmのラインの左・ライン上・右としっかり確認し調整しますので実質0.03mm程の調整でしょうか?

調整のいらない鉄にすれば?と思うかもしれませんが温度によっても変化しますので微調節の利く木が一番です。
パッと見では分かりませんが、大変繊細な設定になっております。
四季による湿度変化や経年変化で木は動きますので、定期的に確認・微調節しております。

このような実際、製作には関係のない作業もしているので、時間はいくらあっても足りません。品質を維持するために無理な納期設定は絶対にしません。

お客様にご不便おかけする場合もあるかと思いますがご了承下さい。
ご購入ご検討の方は、納期の余裕をもってお問い合わせしていただければ幸いです。

作業しやすい時期ですので、どんどん頑張っていきます。
お気軽にお問い合わせください。

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無垢テーブル専門店 Eury dike 藤原

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