本日はアリ溝吸いつき桟のご紹介です。
前回は天板の研磨についてご紹介しましたので、今回は反り止めです。Eury dikeでは反り止めも重要視しており、反りが発生しないためには最良の方法をとるこだわりを貫いております。
鉄の反り止めや反り止めなしで効率を優先するのではなく、天板にアリ溝でレールのような形状の溝を作り、固い樫でしっかり反り止めをします。
製作時の詳細は 製作のこだわり を御覧ください
先日ご紹介した研磨後の天板です。このモンキーポッドにアリ溝吸いつき桟を施工します。初めに天板のサイズや脚の形状・使用用途を考慮し反り止めの位置を決めます。これも倉庫でご注文を受けた職人が製作にも携わるからできることです。
お客様の考えをカタチにするため、ここでしっかりと計画します。よく言う段取り8割です。
図面に合わせアリ溝を掘る位置に冶具を固定します。奥に行くほど数mm細くなるよう調節しております。
ルーターにて掘ります。2種類のルーターを使用し効率的に進めていきます。
片側が終わったら同様に反対側にも実施します。今回は2か所ですがサイズ等により3か所以上になる場合もあります。
アリ溝が完成しました。きれいに掘れています。
近くから見た写真です。見た目ではわかりませんが、奥に行くほど細くなっています。これがアリ溝吸いつき桟の特徴でもあり重要なポイントです。
樫を加工し溝と同じ形状にします。この樫の木材も重要です。木目の形状から強度が強くなるよう、年輪(木目)の動きに合わせてカットします。写真のように木目が斜めになるように木材を取るのがベストです。
溝に反り止めを打ち込む前にシリコンで滑りを良くします。この少しの手間が奥までしっかり反り止めが入るために必要なんです。摩擦で止まることもあるので大切な工程です。
アリ溝に吸いつき桟を打ち込んでいきます。アリ溝は奥に行くほど細くなっており、吸いつき桟もその角度と同じ形状になっています。かけやで打ち込んでは桟を削り、打ち込んでは削り、何度も何度も調節し、少しずつ奥に入れ込んでいきます。
かけやでが壊れるほどですのでかなりの力で打ち込みます。
0.1mmの美調節を繰り返し、ぴったりはまりました。
横から見てもビッタリです。
溝の入り口はこのような形状が残りますので、同じ木材で埋めます。
これで反り止めは完成です。あとは全体を仕上げて塗装です。
すでに塗装も実施していますが、寒さから塗料の乾燥が大変おそいです。
時間がかかってしまいますが、乾燥時間はしっかり確保しないといい仕上がりにならないので、何重にも塗りますが、毎回しっかり乾燥させて、研磨して次を塗ります。
時間がかかりますが、丁寧に製作していきます。
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無垢テーブル専門店 Eury dike 藤原